高次脳機能障害とは?
高次脳機能障害は、外傷や脳卒中等により、脳の高度な認知機能が障害された状態です。目に見えにくい障害のため、周囲からも理解されにくいですが、社会生活を営む上で、様々な困難さを抱えることが多いです。
以下の様な原因によって生じます。
1. 脳が傷つけられたり、圧迫されたりすること(交通事故・転落事故・スポーツ・暴力)2. 脳の血管が切れたり、つまったりすること(脳出血・脳梗塞)
3. 脳が炎症を起こしたり、酸素不足になること(脳炎・溺水などによる低酸素など)
人によって症状や障害の程度は多彩ですが、以下に典型的な症状を紹介します。
注意障害
注意を向けること、
維持することの障害です
・勉強や仕事にすぐ飽きる
・ちょっとしたことで気が散りやすい
・ボーっとしている
記憶障害
新しいことを記憶することが
困難になる障害です
・薬を飲んだことを覚えていない
・約束を忘れる
・新しいことを覚えられない
行動と感情の障害
行動や感情をコントロール
することの障害です
・やる気がない、元気がない、
ひきこもりがち
・怒りやすい、暴言、暴力
・一つのことにこだわりやすい
遂行機能障害
日常生活や仕事の内容を
整理・計画・処理・実行
することの障害です
・家事を計画的にこなせない
・物事の優先順位がつけられない
・間違いの修正や、計画の変更が
できない
失語症
話す・聞く・書くことの
障害です
・うまく話せない、思った言葉が
でない
・人の話がわからない
・本が読めない、手紙が書けない
半側空間無視
目の前の空間の半分(多く左側)に注意が向かない障害です
・食卓の(左)半分のおかずを食べ残す
・車椅子の片(左)側のブレーキをかけ
忘れる
・移動中、片(左)側にあるものにぶつ
かる
失行症
運動麻痺はないのに意図した
動作や指示された動作が
できなくなる障害です
・はさみやフォーク、歯ブラシの
使い方がわからない
・洗濯機の使い方がわからない
・サヨナラと手を振ることができ
ない
地誌的見当識障害
地理や場所について
わからなくなる障害です
・よく知っている場所で道に迷う
・近所の地図が書けない
・目的地にたどりつけない
失認症
見ているもの・聞いているもの・
触っているものがわからなくなる
障害です
・親しい人の顔を見ても誰かわからない
・電話で家族の声を聞いてもわからない
・触っているものがわからない
半側身体失認症
身体の片側(主に麻痺側)
に対する認識が低下して
しまう障害です
・麻痺している上肢に注意を払わない
・麻痺している上肢を自分の手だと認めない
・手の麻痺は軽度なのに使わない